百科事典
プレバイオティクスとサルモネラ感染時のIL-8抑制
背景
サルモネラは腸上皮に炎症を引き起こす代表的な腸管感染症の原因菌であり、好中球を動員するケモカインであるIL-8の発現を強く誘導します。このIL-8の過剰発現は、腸組織への免疫細胞浸潤や炎症の慢性化を引き起こす要因となります。炎症応答を調整する手段として、プレバイオティクスの利用が注目されており、本研究ではその有効性が検証されました。
結果
Caco-2腸上皮細胞にサルモネラ感染を行った後、プレバイオティクスブレンド(PB:フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イヌリン、アントシアニン)を添加したところ、IL-8のmRNA発現が有意に抑制されました。感染によって誘導されたIL-8の発現が、PB処理により有意に軽減されたことが確認されました。
要約
プレバイオティクスは、サルモネラ感染後に上昇するIL-8の発現を抑制し、免疫細胞の過剰な動員とそれに伴う腸の炎症反応を緩和する可能性が示されました。
今後の可能性
IL-8の抑制を通じて、プレバイオティクスは感染性腸炎や感染後過敏性腸症候群における過剰な炎症応答を制御する新たな栄養戦略として期待されます。
(Chen et al., Nutrients, 2017)