百科事典
加熱殺菌L. plantarum FM8およびケストースとペンギンの血中炎症マーカー
背景
プレバイオティクスと非生菌性プロバイオティクス(加熱殺菌プロバイオティクス)は、様々な動物種で健康維持に有用であることが示されていますが、ペンギンに対する応用は極めて限定的です。本研究では、1-ケストースと加熱殺菌Lactiplantibacillus plantarum FM8の併用投与がマゼランペンギンに与える影響を評価しました。
結果
3歳未満の若齢マゼランペンギンにおいて、8週間の投与後、炎症反応に関連する血漿中αグロブリン濃度が有意に上昇しました(P = 0.0234)。これは、腸管内の刺激による免疫応答の活性化や、全身性の防御機構の促進を示す可能性があります。
要約
1-ケストースと加熱殺菌L. plantarum FM8の併用投与は、若齢ペンギンの血漿中αグロブリン濃度を有意に上昇させ、免疫関連の生理応答に影響を与える可能性が示されました。
今後の可能性
腸内細菌叢の調整と連動した免疫関連指標の変化は、ペンギンを含む動物種における健康モニタリングおよび栄養介入設計の一助となる可能性があります。
(Fujii T et al, JVMS, 2024)