百科事典
加熱殺菌L. plantarum FM8およびケストースとペンギンの腸内細菌
背景
プレバイオティクスとパラプロバイオティクス(加熱殺菌菌体)は、さまざまな動物種において腸内環境や健康の改善に寄与することが知られています。しかし、ペンギンに対する応用例は限られており、その有効性は十分に検討されていません。本研究では、ケストースと加熱殺菌L. plantarum FM8をマゼランペンギンに併用投与し、腸内細菌叢への影響を評価しました。
結果
8週間の投与により、若齢(3歳未満)ペンギン群において以下の有意な変化が認められました:
Clostridiaceae_222000の相対存在量が有意に減少
Lactobacillaceaeの相対存在量が有意に増加
要約
若齢ペンギンにおけるケストースと加熱殺菌L. plantarum FM8の併用投与は、Clostridiaceae属の減少とLactobacillaceae属の増加を引き起こし、腸内環境の有益な変化が認められました。
今後の可能性
パラシンバイオティクスは、成長期のペンギンの腸内フローラ改善と健康維持を目的とした新たな飼育管理手段として期待されます。
(Fujii T et al, JVMS, 2024)