百科事典
ケストースとアレルギー性鼻炎
背景
通年性アレルギー性鼻炎は学童においてQOLを著しく低下させる慢性疾患であり、鼻閉・鼻水・くしゃみなどの症状管理が課題となっています。腸内環境とアレルギー反応の関連が注目される中、プレバイオティクスであるケストースの介入効果を評価するため、本試験が実施されました。
結果
中等症以上の通年性アレルギー性鼻炎を有する学童58名に対し、1日1〜2gのケストースを継続摂取させた結果、鼻閉・鼻水・くしゃみのすべての症状において、重症度スコアが有意に減少しました。
要約
ケストースの継続摂取により、通年性アレルギー性鼻炎の鼻症状の重症度を示すSスコアが全項目で改善し、症状緩和への有効性が示唆されました。
今後の可能性
プレバイオティクスは、小児のアレルギー性鼻炎に対する安全かつ持続的な補完療法として活用される可能性があります。
(門田ら , 日本栄養・食糧学会誌 第 73 巻 第 4 号,2020)