百科事典
急性下痢を有する犬の腸内細菌叢の違い
背景
腸内微生物叢は、過敏性腸症候群(IBS)の病態生理学に関与していると考えられています。しかし、IBSの腸内細菌叢の変化に関しては一貫した定義がなく、また、急性の下痢が始まった犬における腸内細菌叢の変化に関する情報は限られています。
結果
Suchodolskiらは健康な犬と急性下痢症(AD)の犬を比較しました。ADの犬は非出血性下痢(NHD)または出血性下痢(AHD)に分類されました。その結果、健康な犬とADの犬は異なる細菌叢を持っていました。また、NHDとAHDの間には差が見られませんでした。
要約
急性の下痢を有する犬は、腸内細菌叢が異なっていることが明らかになりました。
今後の可能性
この結果から、腸内細菌叢の変化が急性下痢の病態生理学に関与している可能性が示唆されます。今後の研究で、これらの細菌叢の変化を理解し、急性下痢の予防や治療に向けた新たなアプローチを開発することが期待されます。
引用文献
Suchodolski J et al, Plos One. 2012