百科事典

  • イヌの肥満と腸内細菌

肥満の犬と健康な犬の腸内細菌叢は異なる

背景

犬の肥満は、さまざまな疾患の原因となる健康上の大きな問題です。糞便中の微生物叢は、宿主のエネルギー効率や代謝障害に影響を与えるため、注目されています。しかし、具体的な微生物の相互作用や、それらが犬の肥満にどのような影響を与えるかについては、ほとんどわかっていません。

結果

Kimらは犬をボディ・コンディション・スコア(BCS)に基づいて高BCS群(HBCS)と通常BCS群(NBCS)の2つの群に分け、腸内細菌叢を解析しました。その結果、HBCS群の犬はNBCS群の犬よりも最終的な体重が有意に高かったことがわかりました。また、Bacteroidota門の相対存在量はHBCS群の方が高く、Actinobacteria門は逆の傾向を示しました。さらに、Deferribacterota門の相対存在量はHBCS群で有意に増加していました。

要約

肥満の犬と健康な犬では、腸内細菌叢が異なっています。

今後の可能性

これらの結果から、肥満を改善するためにはさらに詳細な研究が必要であることが示唆されます。特定の微生物の変化が肥満にどのように影響するかを理解することで、肥満を予防または改善する新たな方法が開発される可能性があります。

引用文献

Kim H et al, Sci Rep. 2023