百科事典
ケストースは腸内酪酸を増加させる
背景
腸内細菌叢が宿主の健康が関連していることは明らかにされています。フラクトオリゴ糖は老化の発症を遅らせることや免疫機能を調節することが示されています。フラクトオリゴ糖の中でも特にケストースはBifidobacteriumの増殖活性が高いことが知られています。しかし、ケストースが宿主に影響を与えるメカニズは明らかにされていませんでした。
結果
ラットに対して様々な濃度のケストースを含む飼料を与え、腸内の酪酸濃度について調べました。その結果、ケストースの濃度依存的に腸内の酪酸濃度が増加しました。酪酸は腸上皮細胞の栄養源となるだけでなく、免疫機能の調節を行う物質であることが示されています。
要約
ケストースは腸内酪酸濃度を増加させます。
今後の可能性
様々な疾患で腸内酪酸濃度が減少することが知られているため、ケストースはそれらの疾患に応用できる可能性がある。
引用文献
T Tochio et al, PLos One, 2016