背景

腸内細菌叢は食物の消化、免疫機能の恒常性、病原体からの保護など宿主の健康において極めて重要な役割を果たしています。これまで、動物試験でケストースが腸内の有用菌を増加させることが示されていますが、ヒトの腸内細菌叢へ与える影響は不明でした。本研究では健常者の糞便に対するケストースの影響を明らかにしました。

結果

健康な成人男性7名から糞便を採取し、ケストースまたは滅菌水を含む培地で培養を行いました。その結果、ケストースを含む培地上でBifidobacterium longumが増加することが示されました。B. longumは過敏性腸症候群や肥満などいくつかの疾患と逆相関していることから有用菌と考えられています

要約

ケストースはB .longumを増加させます。

今後の可能性

B. longumを増加させることで有効な疾患への治療・予防が期待されています。

引用文献

A Endo et al, Anaerobe, 2020