百科事典
水中プロバイオティクスとバナメイエビ腸内における日和見病原菌シュードアルテロモナス属の減少
背景
エビ類の腸内細菌叢には成長・免疫に関わる細菌に加え、条件によって病原性を示す日和見病原菌(Pseudoalteromonas属など)が存在し、水質や飼育密度の変化に伴って優占化すると疾病リスクが高まるとされる。水中投与型プロバイオティクスは水質改善だけでなく、エビの腸内細菌叢構成にも影響しうる。
結果
無換水条件で60日間飼育したバナメイエビを、対照区(I)、バチルス投与区(II)、乳酸菌投与区(III)、バチルス+乳酸菌投与区(IV)の4群に分けて腸内細菌叢を解析した結果、Pseudoalteromonas属の相対存在比は対照区(I)およびバチルス+乳酸菌併用区(IV)で高い一方、バチルス単独投与区(II)および乳酸菌単独投与区(III)では有意に低かった(p<0.05、有意差レターa・b)。
要約
水中への単独プロバイオティクス投与(バチルス属または乳酸菌単独)は、バナメイエビ腸内の日和見病原菌Pseudoalteromonas属の存在割合を低下させる一方、両者を併用した投与ではこの効果が認められなかった。
今後の可能性
水中プロバイオティクスの投与様式(単独投与か併用投与か)が、腸内細菌叢中の日和見病原菌の制御に影響する可能性があり、養殖現場での投与設計を検討するうえで参考になることが期待される。
(Vega-Carranza AS et al., Animals (Basel), 2024)

