百科事典

複合プロバイオティクスと肥育牛における増体量・飼料要求率の改善

背景

肥育牛生産では増体量と飼料利用効率が経営成績を大きく左右する中心的指標であり、腸内細菌叢を介した栄養吸収・発酵環境の改善が期待されている。プロバイオティクスは消化管内の微生物発酵を介して飼料利用効率に影響することが報告されている。

結果

シンメンタール種去勢肥育牛40頭を対照区・低用量区(LP)・中用量区(MP)・高用量区(HP)の4群(複合プロバイオティクスをそれぞれ0、0.1、0.2、0.3 g/kg DMで給与)に分けて60日間飼育した結果、平均日増体量(ADG)は対照区1.09 kg/日に対しMP区1.27 kg/日、HP区1.26 kg/日と有意に高く(線形効果p=0.001)、MP区は対照区より16.5%高値だった(p=0.003)。飼料要求率(FCR)は対照区11.29 kg/kgに対しMP区9.72 kg/kg、HP区9.80 kg/kgと有意に改善し(線形効果p=0.001)、MP区は対照区より13.9%低値だった(p=0.005)。なお乾物摂取量(DMI)には有意差は認められなかった(p>0.05)。

要約

複合プロバイオティクスの飼料添加は、シンメンタール種肥育牛の増体量を高め飼料要求率を改善する用量依存的な効果を示し、特に中用量(0.2 g/kg DM)以上で顕著だった。

今後の可能性

肥育牛生産におけるプロバイオティクス添加が、飼料コストの低減と増体効率向上の両立に貢献する可能性がある。至適な給与量の設定や、長期飼育・枝肉性状への影響については今後さらなる検証が期待される。

(Liu Y et al., Front Vet Sci, 2026)