百科事典

多菌種プロバイオティクスとホルスタイン哺乳期子牛における病原菌フソバクテリウム・バリウムの減少

背景

哺乳期の子牛は消化管機能が未発達であり下痢性疾患のリスクが高く、発育不良や損耗など生産性に直結する経営課題となっている。糞便中の病原性細菌の存在量は下痢発症との関連が指摘されており、プロバイオティクス投与による病原菌抑制効果が注目されている。

結果

30頭の新生ホルスタイン種子牛をプロバイオティクス投与区(PRO)と対照区(CON)に分け、生後7日目の糞便細菌叢を16S rRNA解析により比較した結果、病原性細菌であるFusobacterium varium(フソバクテリウム・バリウム)の存在量はPRO区でCON区に比べ有意に減少した(log2FoldChange ≈ -4.5、CON区を基準、p<0.01)。同じ解析枠組みでClostridium perfringensについても有意な減少が認められている。

要約

多菌種プロバイオティクスの経口投与は、哺乳期子牛の糞便中における病原性細菌の存在量を生後早期から抑制することが示された。本コンテンツではFusobacterium variumに着目したが、同時にClostridium perfringensでも同様の減少が報告されている。

今後の可能性

哺乳期からのプロバイオティクス投与が、下痢性疾患に関連する病原菌の制御を通じて子牛の腸管健康維持に応用できる可能性がある。ただし今回の所見は生後7日目時点に限られるため、その後の推移や実際の下痢発症率との関連については今後さらなる検証が期待される。

(Lee et al., Microorganisms 2025)