百科事典
複合プロバイオティクス発酵液体飼料と育成豚における増体量・飼料要求率の改善
背景
増体量(ADG)や飼料要求率(F/G)は、養豚経営の効率性を左右する中心的な指標である。トウモロコシ・大豆粕を主体とした豚用飼料には栄養素の消化吸収を妨げる抗栄養因子が含まれており、腸内細菌叢の乱れや消化管機能の低下を通じて成長性能に影響することが課題となっている。液体発酵飼料(FLF)は乳酸菌・バチルス属菌など複数の菌を用いて飼料を発酵させる技術で、抗栄養因子の低減や腸内環境の改善を介した成長性能向上が期待されている。
結果
Lactobacillus plantarum、Pediococcus pentosaceus、Bacillus subtilis、Bacillus coagulansの複合菌で発酵させた液体飼料(FLF、基礎飼料の10%を置換)を30日間給与した育成豚と、基礎飼料のみの対照区(Ctrl)を比較した。平均日増体量(ADG)はCtrl区の658.72±12.06 g/日に対しFLF区は719.00±16.04 g/日と有意に高く(p<0.05)、飼料要求率(F/G)はCtrl区の2.75±0.01に対しFLF区は2.43±0.03と有意に改善した(p<0.01)。同時に、糞便細菌叢ではLactobacillus、Prevotella、Blautia、Gemigerなどの有用菌とされる属の相対存在量がFLF区で有意に増加していた(p<0.01)。
要約
複合プロバイオティクス発酵液体飼料の給与は、腸内細菌叢における有用菌属の増加を伴いながら、育成豚の増体量を高め、飼料要求率を改善することが示された。
今後の可能性
液体発酵飼料は、腸内細菌叢の改善を介して育成豚の増体量・飼料効率を高める飼養管理技術として、養豚現場での活用が期待される。
(Ji et al., Animals 2025)

