百科事典
多菌種プロバイオティクスとホルスタイン種子牛における糞便中クロストリジウム・パーフリンゲンスの減少
背景
哺乳期の子牛は消化管が未成熟で下痢を起こしやすく、下痢は酪農現場における主要な損耗要因の一つである。Clostridium perfringens(クロストリジウム・パーフリンゲンス)は子牛の腸管内で増殖すると、下痢や壊死性腸炎などの消化器疾患を引き起こすことが知られる代表的な病原性細菌であり、糞便中の存在量を抑えることは哺乳期の疾病リスク低減に直結する。
結果
カリフォルニア州の牧場で実施された試験において、生後から哺乳期にかけてプロバイオティクス(Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis、Lactobacillus animalis、Propionibacterium freudenreichiiの混合製剤)を投与した区(PRO)と、投与しない対照区(CON)の糞便細菌叢を16S rRNA解析で比較した。生後7日齢において、Clostridium perfringensの存在量はPRO区でCON区の約0.01倍(約100分の1)に減少しており、統計的に有意な差であった(p<0.01、DESeq2による差次存在量解析)。
要約
多菌種プロバイオティクスの投与は、生後7日齢という早い時期において、下痢・腸炎の原因となりうるClostridium perfringensの糞便中存在量を顕著に減少させることが示された。
今後の可能
哺乳期の早い段階でのプロバイオティクス投与は、Clostridium perfringensに関連する消化器疾患の予防技術としての応用が期待される。ただし本研究は30頭規模のパイロット試験であり、著者らも十分な統計的検出力を得るにはより大規模な試験が必要であると述べている。
(Lee Y et al, Microorganisms, 2025)

