百科事典

イヌリンとセリン合成

背景

肝臓でのセリン合成は、主に糖代謝の中間産物である3-ホスホグリセリン酸から始まる「ホスホグリセリン酸経路」で行われます。3-ホスホグリセリン酸はPHGDH、PSAT1、PSPHといった酵素の働きでセリンに変換されます。セリンはタンパク質や核酸、グルタチオンなどの合成に必要で、代謝や抗酸化に重要な役割を果たします。また、肝臓ではセリンがグリシンやシステインの合成にも利用されます。

 

結果

マウスに対して高果糖コーンシロップとイヌリンを30週間与えた結果、フルクトースからセリンへの合成が増加しました。この結果からイヌリンはセリンの合成に有用である可能性があります。

 

要約

イヌリンはセリン合成を促進した。

 

今後の可能性

イヌリンが肝臓のセリン合成を促進することで、さまざまな生理機能に影響を与える可能性があります。

(Jung S et al, Nat Metab, 2025)