百科事典

アガロオリゴ糖と炎症性サイトカイン発現抑制

背景

ヒトの炎症性腸疾患(IBD)を免疫学的および病理学的特徴に再現できる手法として、2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)をマウスに投与することで大腸炎を誘発する方法があります。TNBSにより、大腸組織の炎症度(炎症性サイトカインの発現量)が増加することが知られています。

 

結果

TNBS処理後には大腸組織における炎症性サイトカイン(TNF-α)の増加が引き起こされましたが、その増加はアガロオリゴ糖を投与されたマウスで有意に抑制されました。

 

要約

アガロオリゴ糖は、TNBS誘発性の炎症性サイトカインの発現を抑制することができます。

 

今後の可能性

アガロオリゴ糖の経口投与がTNBSによる炎症性サイトカインの発現を軽減したことから、アガロオリゴ糖はヒトにおけるIBDを防ぐ治療に有益であり、新たな予防法や治療法につながる可能性があります。

 

 

 

(Higashimura Y. et al., J. Gastroenterol., 2013)