百科事典

ケストースが犬の攻撃行動に与える影響

背景

ケストースは、尾追い行動をする犬の問題行動数を減少させます。犬の問題行動の中でも、最も悩まれるのが「攻撃行動」です(全体の約57%)。先行研究では、攻撃性の高/低において腸内細菌叢に明らかな違いが見られることが報告されており、腸内環境が犬の攻撃性などの行動傾向と関連している可能性が示唆されています。そのため、腸内環境を健全化することで、様々な問題行動が改善できる可能性があります。

結果

茂木らは、尾追い行動をする犬に対してプレバイオティクスである1-Kestoseを摂取させました。その結果、摂取3週間目から尾追い行動が減少し、摂取期間を過ぎても効果が持続しました。

要約

プレバイオティクスは、尾追い行動をする犬の問題行動数を減少させます。

今後の可能性

プレバイオティクスがこれらの問題行動改善に有効であった場合、安全かつ手軽に治療を行うことが可能となり、犬そのもののQOLだけでなく、飼い主のQOLの向上にも寄与できると考えられます。

引用文献

Mogi C et al, CAP. 2022