百科事典

  • イヌのアトピー性皮膚炎と腸内細菌

シンバイオティクスが犬のアトピー性皮膚炎に与える効果

背景

最近では、犬のアトピー性皮膚炎(CAD)は、腸内の細菌バランスの乱れと関係があることが示唆されています。しかし、CADの治療においてシンバイオティクス(プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたもの)がどの程度有効かについての研究はほとんどありませんでした。そこで、この研究ではL.paracasei M-1と1-Kestoseを使って、犬のアトピー性皮膚炎の治療におけるシンバイオティクスの効果を調べました。

結果

Kawanoらは、プレドニゾロンという治療薬を90日間投与してもCADの症状が改善しなかった犬15頭を対象にしました。しかし、L.paracasei M-1と1-Kestoseを90日間摂取させた犬では、CADの症状を示すCADLIというスコアが有意に減少しました。

要約

L.paracasei M-1と1-Kestoseを摂取することで、CADの症状が改善される可能性が示唆されました。

今後の可能性

この研究結果は、臨床での応用が可能である可能性を示唆しています。つまり、将来的には犬のアトピー性皮膚炎の治療においてシンバイオティクスが有効であることが証明されれば、臨床現場での使用が増えるかもしれません。

引用文献

Kawano K et al, Pol J Vet Sci. 2023