百科事典

  • チコリイヌリンと血糖値

チコリイヌリンとケストースの併用は食物アレルギーを劇的に改善する

背景

近年、食物アレルギーの発生率が増加し、先進国の3〜6%が罹患しており、患者とその家族の生活の質に悪影響を及ぼしている。これまで、腸内細菌叢がアレルギーと密接な関係を有していることが明らかにされている。本研究ではケストースとチコリイヌリンと併用による食物アレルギー予防への作用を調べた。

結果

マウスに通常食、ケストース食、チコリイヌリン食、ケストース+チコリイヌリン食の8週間与えた。次にオボアルブミンと呼ばれる卵白に含まれるタンパク質を投与することでアレルギーを発症させた。その結果、ケストース、チコリイヌリン、併用群でアレルギー症状が改善し、腸管免疫機能の指標であるIgAレベルは併用群で最も高かった。

要約

ケストースとチコリイヌリンは食物アレルギーを予防し、併用によって最も免疫機能を改善することが示唆された。

今後の可能性

ヒトにおいてもケストースとイヌリンの併用摂取が食物アレルギーを予防する可能性がある。

引用文献

H Takahashi et al, BMC Microbiol, 2023