百科事典

イヌリンと脂質合成

背景

肝臓での脂質合成は、主に糖質からアセチルCoAを経て脂肪酸を作り出す代謝過程です。インスリンや栄養過多により活性化され、アセチルCoAカルボキシラーゼや脂肪酸合成酵素が働きます。合成された脂肪酸はトリグリセリドとして貯蔵されるか、VLDLとして血中に放出されます。過剰な脂質合成は脂肪肝やMASLDの原因となります。

 

結果

マウスに対して高果糖コーンシロップとイヌリンを30週間与えた結果、肝臓の脂質合成遺伝子Scd1の発現が減少しました。この結果からイヌリンは脂質合成の抑制に有用である可能性があります。

 

要約

イヌリンは脂質合成を抑制した。

 

今後の可能性

イヌリンが肝臓の脂質合成を抑制することで、MASLDの改善につながる可能性がある。

(Jung S et al, Nat Metab, 2025)