百科事典

イヌリンと炎症性サイトカイン

背景

炎症性サイトカインは、免疫細胞などが分泌する炎症を引き起こす情報伝達物質です。代表的なものにTNF-α、IL-1β、IL-6、IFN-γなどがあり、感染防御や組織修復に関与しますが、過剰に分泌されると慢性炎症や自己免疫疾患、サイトカインストームなどの原因になります。関節リウマチや潰瘍性大腸炎などの治療では、これらのサイトカインを抑制する抗体医薬が使われています。炎症評価にも重要な指標です。

 

結果

脂肪肝モデルのマウスに対してイヌリンを16週間摂取させました。そして、肝臓の組織学的変化によって評価した結果、炎症性サイトカインであるIL-6が減少しました。

 

要約

イヌリンは炎症性サイトカインを減少させる

 

今後の可能性

イヌリンの摂取が炎症の改善につながる可能性があります。

 

(Wei W et al, Nat Microbiol, 2023)