百科事典

ケストースと肥満炎症マーカー改善

背景

高脂肪食(HFD)による慢性炎症は、脂肪組織での炎症性サイトカインの発現増加を介してインスリン抵抗性を引き起こす要因とされています。特にTNF-α(腫瘍壊死因子α)は、脂肪組織マクロファージ由来の代表的な炎症性サイトカインであり、その発現は代謝異常の進行と密接に関連しています。本研究では、プレバイオティクスである1-Kestoseの摂取が、HFD誘導ラットの脂肪組織におけるTNF-αの発現に与える影響を検討しました。

結果

HFDを摂取したラットでは、精巣上体脂肪組織におけるTNF-α(Tnf)mRNAの発現が有意に増加していました。一方、1-Kestoseを摂取させたHFD群では、TNF-αの発現が有意に抑制され、対照群(CD)レベルに近づきました。

要約

1-Kestoseの摂取は、高脂肪食により上昇した脂肪組織中のTNF-α発現を有意に抑制しました。この結果は、プレバイオティクスが脂肪組織の炎症を軽減し、代謝異常の改善に寄与する可能性を示しています。

引用文献 Kuramitsu K et al, JNSV 2024