百科事典

ケストースと肥満マウスにおける酪酸レベル改善効果

背景

酪酸は腸内で産生される短鎖脂肪酸の一種で、腸管バリア機能や抗炎症作用を持ち、代謝性疾患の予防に寄与するとされています。研究では、1-Kestose摂取によって高脂肪食により減少した酪酸レベルが回復するかを検討しました。

結果

高脂肪食(HFD)を与えたラットでは、盲腸内の酪酸レベルが有意に低下していましたが、1-Kestoseを12週間摂取させた群では、酪酸レベルが有意に増加し、対照食群に近い水準まで回復しました。

要約

1-Kestoseの摂取は、高脂肪食によって低下した酪酸レベルを回復させる効果を示しました。酪酸の増加は腸内環境の改善や代謝性炎症の抑制に寄与する可能性があり、プレバイオティクスによる食事介入の有用性が示唆されます。

引用文献 Kuramitsu K et al, JNSV 2024