百科事典

イヌリンおよびケストース摂取による抗体価の制御

背景

食物アレルギーの発症には、特異的IgE抗体の産生が大きく関与しており、その一つであるOVA-sIgE(卵白アルブミン特異的IgE)は、アレルギーモデルマウスにおいて反応の指標として広く用いられています。プレバイオティクスによる腸内環境の改善が免疫応答の制御に寄与する可能性があることから、本研究では、OVA-sIgEレベルに対するプレバイオティクス摂取の影響を検討しました。

結果

OVAで感作されたマウスにおいて、イヌリンおよびケストースの摂取群では、OVA-sIgEの血中濃度が有意に低下しました。加えて両者を併用した群においても、低いsIgEレベルが認められ、アレルギー反応の抑制が示唆されました。

要約

プレバイオティクスであるイヌリンおよびケストースの摂取は、アレルゲン特異的IgE(OVA-sIgE)の産生を抑制し、食物アレルギーの免疫応答を軽減する効果があることが示されました。また併用摂取による抑制効果も確認されました。

引用文献 Takahashi H et al, BMC Microbiol. 2023