背景

食物アレルギーの増加が問題視される中、腸内環境への介入が予防策として注目されています。近年、プレバイオティクスの摂取が症状改善に効果的との報告が増えていますが、ほとんどが単独摂取に限られています。本研究では、プレバイオティクス「ケストース」と「イヌリン」の単独および併用摂取による効果を検討しました。

結果

Takahashiらの研究により、食物アレルギーモデルマウスを用いた実験において、イヌリンおよびケストースの単独摂取、ならびに併用摂取のいずれにおいても、食物アレルギー症状の有意な軽減が確認されました。

要約

プレバイオティクスであるイヌリンおよび1-Kestoseの摂取は、それぞれ単独でも食物アレルギー症状を軽減させる効果がありました。また、併用摂取によっても同様に効果が認められ、複数のプレバイオティクスを組み合わせることの有用性が示唆されました。

今後の可能性

本研究結果は、プレバイオティクスの組み合わせによる腸内環境の調整が、食物アレルギーの予防や治療に新たなアプローチを提供する可能性を示しています。今後は、ヒトにおける臨床試験の実施や、より詳細な作用メカニズムの解明を通じて、プレバイオティクスを活用した新たなアレルギー対策の確立が期待されます。

引用文献 Takahashi H et al, BMC Microbiol. 2023