背景
腸内細菌は多くの疾患と密接に関連しており、この関係は人だけでなく犬や猫にも当てはまると考えられています。そのため、腸内細菌の調査は様々な動物や疾患の研究において重要ですが、猫の下痢と腸内細菌の関係についての報告はほとんどありませんでした。
結果
Suchodolskiらの研究により、慢性下痢を有する猫では、有益な腸内細菌Fecalibacteriumが顕著に減少していることが明らかになりました。
この菌は腸内環境を改善し、多くの疾患に良い影響をもたらすことが知られています。
要約
慢性下痢の猫では、Fecalibacteriumの減少が確認されました。
今後の研究
Fecalibacteriumをターゲットにした介入が、慢性下痢の症状改善につながる可能性があります。
今後は、腸内環境を整える「腸活」が猫の慢性下痢治療に有効かどうかを検証することが期待されます。
引用文献 Suchodolski JS et al. PLoS One., 2015.