百科事典

プロバイオティクスと犬の慢性腎臓病

背景

本研究の目的は、慢性腎臓病の犬に対するプロバイオティクスの糸球体濾過率(GFR)への影響を評価することでした。腎機能が低下するとGFRが減少し、腎疾患の進行が懸念されます。腎疾患管理におけるプロバイオティクスの利用が注目されていますが、その効果については明確な証拠が限られています。

結果

治療群は腎処方食とプロバイオティクスを摂取し、対照群は腎処方食と標準治療のみを行いました。開始時と2か月後にGFRを測定したところ、治療群は開始時と比較して有意にGFRが向上していました。一方、対照群では2ヶ月後時点でGFRが開始時よりも有意に低下しました。

要約

慢性腎臓病を抱える犬にプロバイオティクスを与えた結果、GFRの低下が抑制され、腎機能の改善が見られました。

今後の可能性

プロバイオティクスの補給は、慢性腎臓病の進行を遅らせる新たなアプローチとして期待され、GFR維持を目的とした補助療法としての活用が検討されます。

 

引用文献:Lippi I et al, Can Vet J, 2017