百科事典

ケストースとアガロオリゴ糖の併用が犬の下痢症に及ぼす影響とウェルシュ菌毒素遺伝子

背景

慢性下痢は犬の健康だけでなく、飼い主の生活の質にも影響を与える深刻な問題です。

その原因の一つとして、Clostridium perfringens(ウェルシュ菌)とその毒素が関与していることが示唆されています。

腸内の有益菌を増やすプレバイオティクスは下痢の改善に有効とされていますが、ウェルシュ菌やその毒素遺伝子への直接的な影響を調べた研究はほとんどありませんでした。

結果

Takahashiらの研究では、慢性下痢を有する犬に1-Kestoseとアガロオリゴ糖を40日間摂取させ、ウェルシュ菌の毒素産生遺伝子(plc gene)を評価しました。

その結果、毒素産生遺伝子(plc gene)の有意な減少が確認されました。

要約

1-Kestoseとアガロオリゴ糖の併用摂取により、慢性下痢に関連するウェルシュ菌の毒素産生遺伝子(plc gene)が減少することが示されました。

今後の可能性

今後は、最適な投与量や摂取期間の検討に加え、腸内環境全体への影響を詳しく調査する必要があります。

また、犬種や年齢による効果の違いを検討することで、慢性下痢の治療や予防に向けた包括的な戦略の確立が期待されます。

引用文献 Takahashi H et al, CAP. 2024