百科事典

プロバイオティクスと猫の慢性下痢における腸内細菌

背景

慢性下痢は猫によく見られる問題であり、特に多頭飼育環境では有病率が高くなることが知られています。

本研究では、慢性下痢を有する猫の糞便微生物叢を健康な同居猫と比較し、さらにバチルス・リケニフォルミス発酵物(BLFP)の経口投与が腸内微生物叢に与える影響を評価しました。

結果

BLFPを摂取した猫では、多くの腸内細菌に変化が見られました。

その中には、人において有益な作用が報告されている菌も含まれていましたが、その他の菌については猫への影響が明確ではありませんでした。

これらの細菌が猫の健康や慢性下痢にどのような影響を与えるかは、さらなる研究が必要です。

要約

BLFPの摂取は、慢性下痢を有する猫の腸内微生物叢に変化をもたらすが、その具体的な影響やメカニズムには未解明の部分が多い。

今後の可能性

今後は、BLFPがもたらす腸内細菌の変化が猫の健康や慢性下痢の改善にどのように寄与するかを解明することが求められます。

また、有益とされる菌を選択的に増やすための最適な投与量や治療期間の調整が期待されます。

さらに、猫種や飼育環境による影響の違いを検討することで、より広範な応用可能性が明らかになるでしょう。

 

引用文献 Lee TW et al. Animals (Basel)., 2022.