百科事典
血中LPS濃度と犬の糖尿病
背景
ヒトの糖尿病(DM)では、腸内細菌叢の異常に伴い腸管透過性が増加し、血中のLPS(リポ多糖)濃度が上昇することが知られています。LPSは免疫系を活性化させ、炎症やインスリン抵抗性の悪化に関与することが報告されています。しかし、イヌのDMにおいて同様の変化が誘導されているかは明らかにされていません。
結果
血清LPS濃度の分析により、DMの犬では健康な犬(HC群)に比べて血中LPSレベルが有意に上昇していることが確認されました(p = 0.0187)。
要約
DMの犬では血中LPS濃度の増加が確認されました。
今後の可能性
血中LPS濃度の管理が、DMの犬における炎症やインスリン抵抗性の改善に役立つ可能性があります。
引用文献:Jergens AE et al, Front Vet Sci, 2019