百科事典

シンバイオティクスと犬の下痢

背景

先行研究では、下痢を持つ犬へのプロバイオティクス投与が下痢の発生率を下げる可能性が示唆されているものの、症例数が少なくその効果についての明確な結論が得られていません。本研究の目的は、動物保護施設の健康な犬に対してシンバイオティクスサプリメントを予防的に投与することで、対照群と比較して下痢の発生率が低下するかどうかを検証することです。

結果

滞在期間中に下痢と評価された日数の割合は、シンバイオティクス群で2.0%、プラセボ群で3.2%であり、シンバイオティクス群で有意に低下しました(p = 0.0022)。滞在最初の14日間における下痢発生率は、シンバイオティクス群で18.8%、プラセボ群で27.2%であり、ここでも有意に低い結果が得られました(p = 0.0008)。また、14日間のうち連続2日以上下痢が続いた割合は、シンバイオティクス群が4.6%、プラセボ群が8.0%であり、下痢の持続率も有意に低下しました(p = 0.0300)。

要約

シンバイオティクスサプリメントを投与された犬は、下痢の発生率と持続日数がいずれも低下しました。

今後の可能性

シンバイオティクスサプリメントの予防的な使用が、施設に収容された犬の消化器健康管理に有効なアプローチとして期待されます。

引用文献:Rose L et al, J Vet Intern Med, 2017